卒論の手元コピーより備忘として
抜粋のテキスト書き起こしをしてみました
(なにせ当時の卒論は万年筆で手書きです)
<36年前の卒業論文>
今とは時代が違います(アタリマエ)。理論は何度もの社会の変革やできごとを経て、大きく変わりました。一方、今でもやってることの根幹はオンナジやん、というところも少なからず感じられます。
1984年執筆の拙卒業論文は、経済データをホストコンピューター上で、統計解析ソフトウェアを用いて分析し、専攻テーマであった金融論の某課題を検証したものでした。今の感想など加えつつ、目次程度の抜粋をテキスト書き起こししてみます。
当時の卒論あるある
- 手書き、万年筆
- 当然、テキストデータが
ありません
- 大学の図書館に、現物の紙を
製本した原本保管
- パソコン普及は
まだまだの時代、
パソコンが自由に使えず
- ということで、
データを扱うのは、
大学の計算機室に鎮座の
ホストコンピュータと
でっかいプリンタが頼り
(経済学で
コンピュータ使って
卒論書く人ごく少数)
- グラフと表も手書き
グラフ=プリンターで
ライン連帳に
印刷した文字を
手と📐定規で
結んでます
表 =まさに手書きです

近年、データ解析が重要視されるようになっていますが、我田引水ながら、1984年当時、その気配となる研究を学校のTSS教室の端末を操作してやっておりました
卒論の手元コピーをみたところ、
まず、卒論題名がわからないことを反省。。。
(今後、時間があるときに、
母校に図書館閲覧申請をして、
題名を確かめるようにしようと思います)
ということで、仮題名「マネーサプライ調節、ハイパワードマネーと銀行貸出残高のどちらが有効か?」という論文について、自身のために構成など抜粋を備忘記録することとしました
<今と昔の違い>・・・素人誤認含む解釈
当時の通貨供給=M2+CD(譲渡性預金)
今は違いますよね
マネーストック
「M3」:預金貯金は
かなり広範囲な
機関に(ここでは記載省略)
現金と流動性が高い
預金まで含む(記載省略)
通貨保有主体の
変更に伴い、
マネーストック統計の
「M3」からは
非居住者預金を除外
※詳細:日銀 統計に関する解説
当時市場操作=債券市場での売買程度
今は、株式やETFも?
為替操作が今ほど
弾力的ではなかった?
当時のデータ分析=前述のとおり
大きな計算機
単回帰でも時間かかってました
今は、パソコンで多変量回帰とか
層別とか、移動平均とか、
あれこれ試すのも短時間です
日銀や大蔵省の考えや行動=
今とは情報公開やリリース発信
の考え方や頻度速度が違ってました
論文に取り上げるには
追いかけづらかったですが
発行物や出版物を
できる限り読み込みました
今や理論が違う!
当時のマネタリズムは既に
敗北宣言済み?
でも、通貨が経済に与える影響は
今も重要?

《論文要旨と主張》
◇前提は、「経済政策として
マネーサプライ調節が有効」ということ
◇マネーサプライ調節に何を用いるかを論じた
◇マネーサプライ調節方法には
まだ確たるものがあるとは言い難い
◇教科書としての伝統的通貨供給理論、
中央銀行の考え、を
統計データを利用して検証した
◇主張1: 伝統的通貨供給理論は、
修正を加えることで(修正ハイパワードマネー)、
現実と整合し、精度が高くなるので、
マネーサプライ調節に有効だと言える
◇主張2: 中央銀行が用いていた銀行貸出残高は、
マネーサプライ調節に有効だと言える
◇主張3: 銀行貸出は民間金融機関の意思により
決定されるが、
修正ハイパワードマネーは直接的な操作が
可能で、マネーサプライ調節にも有効で
あることから、マネーサプライ調節には
修正ハイパワードマネーのほうが望ましい

◇修正ハイパワードマネーH'・・・独自
ハイパワードマネーから
準備預金の影響を
控除した数値
修正貨幣乗数m'も
同様に算出
◇注として、これら分析は、
前提条件が限界だらけで
実経済モデルに
落とし込むには
因子が不足のままの
執筆だったようです
《論文の構成、目次》
題名(仮)「マネーサプライ調節、ハイパワードマネーと銀行貸出残高のどちらが有効か?」
目次
はじめに
第1章 通貨供給機構の検討1
~伝統的な考え方
第1節 伝統的通貨供給理論
第2節 伝統的通貨供給理論に対する分析
2-イ) ハイパワードマネーとマネーサプライの定義
2-ロ) ハイパワードマネーとマネーサプライの関係
2-ハ) 貨幣乗数mの動き
2-ニ) 修正ハイパワードマネーの導入
第3節 伝統的通貨供給理論の現実への適応
結論1~6
主張
※第1章 統計に関する注釈
主な指標と出典
第2章 通貨供給機構の検討2
~日銀の考え方
第1節 通貨供給調節に対する日銀の考え方
第2節 日銀の考え方に対する分析
※第2章 統計に関する注釈
第3章 ハイパワードマネーか、銀行貸出残高か
第1節 H'とFの比較
第2節 対M比率の比較
第3節 ハイパワードマネーか、
銀行貸出残高か
《使用ツール、使用した主なデータ》
計算機:HITAC-M 180
ソフトウェア:XCAMPUS(大学用多変量処理拡張システム)
統計データ:日経NEEDS 総合経済ファイル
データ期間:1955年1月~1984年2月
《今思う、もう少しこれをやれたなら》
◇準備預金の影響を錯乱因子と
みたのなら、
ここに注目した突っ込みも
少しやりたかった
後年知ったS/N比を使うのも面白そう
◇限界だらけであっても
モデル構築を
もう少し仕上げたかった
大きく拡げ過ぎずに
小さいものから育成?
◇論文の書き方、
もうちょっとなんとかなったはず、
当時、論文書法の講座はなかった
就職してから
某先生に教えていただいた書法で
書き直してみたい
《振り返りから今に生かすもの》
今は、ツールもデータも揃い、
処理速度も速い。
今扱うデータは経済データとは
全く違うものですが、
現在の恵まれた環境を
活用して
データの見方使い方を、
もっともっと工夫せねば、と
思いました。
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