まなびの理由 原文版
長文、堅苦しい言葉遣いですみませんが、以前に伏字でnoteに公開していた学びの理由、原文を掲載します
昨秋時点の情報のため、未更新部分がありますことご容赦くださいませ
タイトルは
専門職大学院での学びを活かした自身のキャリア形成プランについて
です
===引用 学びの理由 小論文原文ママです===
・要約
知的財産について学ぶにあたり、知的財産に目を向けた理由、自身と知的財産の関わり、やってみたいこと、キャリア形成への期待、をあらためて整理してみた。市場競合で優位に立つために知的財産を活用した攻めと守りを自らの経験の中で意識するようになっている。今は小規模の企業で知的財産を効率よく扱うにはどうするかという課題に向き合っていることからも、市場競争の中での知的財産の活用について学んでいくつもりである。
1-なぜ知的財産?
これまでの製造業での業務経験を通じて、技術、知見による競合との差別化が重要と感じることが多く、知的財産を活かした攻めと守りを意識するようになった。
例えば、知的財産という括りにこだわらずに考えると、製造業では目に見える製品とサービスやアプリのインターフェース、目に見えないソフトウェアや通信技術などを組み合わせて、市場競争で優位に立とうとしている。ところが、先端技術による製品を競合他社に先駆けて発売しても、市場で先行している期間に計画販売量に到達しないまま、競合から二番手製品が発売され、二番手以降の製品のほうが販売量を稼ぐといった例も見受けられる。競争相手が先行製品をじゅうぶん研究した上で二番手製品を投入できていることも一因と推測される。先行して製品を市場投入するよりも二番手を狙ったほうがいいのではという疑問も出てきてしまう。そこで先行製品の守りの手段のひとつとして、知的財産権活用や秘密保持による二番手以降の追従阻止ができるのかどうかと考え、知的財産に目を向けるようになった。
2-自身の知的財産との関わり
知的財産について、これまで所属した2社の業務で必要な範囲を企業内の教材や一般書籍を通じて独学してきた。担当業務で知的財産に触れたのは、生産システム開発のためのハードウェアの調査、広報広告宣伝に用いる情報が権利を侵していないかの調査、自社が持つ知的財産や公表済み情報の広報活動や販促物制作への活用検討、などといった場面であった。また、近年通算15年ほど関わっている広報広告宣伝において、特許出願のほかに、他社に先行した情報を発表することにより、自社の優位を顧客や業界内に訴求する方法も併用してきている。さらにビジネスモデル特許の出現により、工業技術の分野だけでなく、事業やサービスそのものの知的財産権についても考えるようになってきている。
実は国内営業部門に所属している時代に、情報通信と営業活動の組合せを検討するプロジェクトに参加していたことがあり、その際に共同で実用新案を1件出願した経験がある。電子技術担当者と自身で通信を利用した用途を考案し出願した経緯である。出願業務自体は知財部門が担当してくれたため、自らはアイデアの考案と、共同出願者とともにカギとなる文章をまとめるだけで済んだ。結果は権利取得とならなかったが、営業部門からでも特許や実用新案を出願できることに驚くとともにワクワクした瞬間だった。
このような経験、業務の中での関わりがあり、知的財産について考える機会が増えてきた。また、現在所属している会社に転職した後、営業部門と開発部門との距離が近く、開発関連の業務へも意見を述べたり、特許出願要否の議論にも加わったりしている。
3-これからやってみたいこと、キャリア形成への期待効果
知的財産との関わり、営業や広報広告宣伝、の中で感じてきた課題の解決に、習得した知的財産に関する知識を用いて貢献したい。例えば、情報の開示/非開示の決定、国内での営業一線での優位確保、海外での模倣防止、海外企業との競争での優位確保、ソフトウェアやビジネスモデルの扱い、などが課題として挙げられる。また、これら課題に向き合う際、規模が小さな企業での対処は、規模が大きな企業とは違うと感じる。小さな企業なりの効率良い方法、優先順位の付け方を実践できれば、と考えることが多くなった。日本企業が世界での存在感を高める一助として、同じ悩みを持つ企業、課題に気づくに至っていない企業、など小さい規模の企業でのこれら課題解決に役立てる力を身につけたい。
そこで、これらやってみたいことを実現するための学びのイメージをいくつか考えてみる。第一に知的財産各種類の詳細について学び、深掘りして知識を習得するということである。実務上の疑問の解決方法を見つけるために知識習得、基礎を学ぶこと、疑問に基づく深掘りが必要であり、身につけることを期待している。具体的には、知的財産各種、営業秘密、情報公開や広報発表、それぞれのリスクや利点を学びたい。これにより、技術や製品の開発だけでなく、営業や広報の活動においても競合との差別化をしていけると思うからである。
第二に大学、大学院という場を利用して学際領域を含む幅広い刺激を受けることである。ビジネスにおける知的財産有効活用には、対象とするハードウェア技術、ソフトウェア技術への基礎理解が必要と考えており、幅広い学科、研究科を有する教育機関に居ることで、必要な科目を聴講できたり、先生方からのご教導を受けたりできたりするのは、企業の中だけではできない貴重な機会である。また、学びの場に集う学徒の方々との交流を通じた刺激享受も楽しみである。これらの刺激により、新たな事業を考えたり、仕事の仕方を変えたり、自身のレベルアップを図れると思う。
第三に、学校が持つ情報アクセス力を活用することである。幅広い情報を収集し、自らの考えをまとめていくことである。もちろん、企業の中にいてもある程度の情報収集ができる時代になってはいるが、学校にある情報ツールや図書館を用いて、研究という立場で幅広い情報に触れて考えることは今後のキャリアにプラスに作用すると確信している。多くの情報を学校の学びを通じてデータを分析したり、考えをまとめる際にも、在学していること、学校にあるツールの活用ができることによる効果を大いに享受したい。実は、今から40年前、経済学科の学部生として金融データの解析に取り組んでいた際にも大学にある電子計算機、統計解析ツール、経済データベースにアクセスできたことで、研究を進めることができ、在学の有難味を感じていたこともあり、社会人として学び直す際は、情報アクセス力に優れた教育機関を選びたいと考えてきていた。自身にあった学びの場に出会えたことを光栄に思う。
5―まとめ
ここでは、知的財産専門職大学院での学びの目的、目標、キャリア形成を考察した。
学びの目的は、知的財産を活用した小さな規模の企業の競争力向上への貢献、である。学びの目標は、知的財産知識の深掘り、つまり、ビジネス実践への活用ができるレベルへの到達である。キャリア形成に関しては、情報収集、知的財産活用実践、ができる人材となることで、高年齢であっても社会に引き続き貢献していける人材になることを目指したい。これからの学び、研究、実践、に期待が膨らんでいる。
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