書評(??)先端流通企業の成長プロセス
知人(長年の友人と呼んでも叱られないと
思いますが・・・)が最近、研究成果を
上梓されましたので、偉業に敬意を
表して、本の紹介、感想を述べたいと思います。
「先端流通企業の成長プロセス」
橋元理恵 著
白桃書房 刊
(2007年11月)
この本の帯には、
「小売業の実態に新視点からアプローチした
意欲作!!」とあります。
実際の企業を例に、
「新視点」の裏付けとなっている手法を
解説しつつ、
分析結果を丁寧に説明してくれて
いるので、
私のような薄学の徒にも
とても読みやすく、また、
実務の場に応用できたらいいな、
という気持ちになります。
(知人だからムリに誉めてるわけ
ではありませんよ・・笑・・
後半でカラクチのことも
ちゃんと書きますから・・・)
日常、販売網の開発や管理の仕事も
やってるknasadaには、
この本に出てきたテキスト・マイニングの有効性が
よくわかります。
小売の業績の結果は
売上、利益、現金、店舗規模、人材の量や質、
といった数字に表れるのですが、
そこに至る戦略とか、体質とか、取組み姿勢とか、
プロセスとかは、全てが数字だけで表せるわけではなく、
そのため、地域担当者をおいて、
目で見た情報、耳で聞いた情報を販売現場から
収集続けて、会議でしゃべって、とか、
メールや電話からキーワード読み取ってとか、
毎日、毎週の単位でやっています。
元になる情報は、上記のように雑多であり、
また、販売現場の情報のほか、お客様からの声とか、
調査結果のフリーアンサーとか、
多くの情報をどう読み取るか、
常に頭を悩ましているところです。
この本は、課題認識、分析方法の紹介に始まり、
まず、例として取り上げた企業を数字で成果評価
したうえで、
次にテキスト・マイニングで事業活動の評価をし、
最後に、その2つの評価を組み合わせて
解き明かす、という流れで、
上記で言ったように、わかりやすく読めます。
余談になりますが、
データマイニングやテキストマイニングをやる時には
ずいぶん高価なソフトウェアが必要なはずなのですが、
最近では科学研究費補助金による研究成果の一部
として、フリーソフトも公開されているそうで、
もしかしたら仕事で試しに使ってみれるかも、
という気になりました。
著者の橋元さんが、
どんなソフトウェアを使われたのかは
謎のままですが・・・。
(参考文献のところとか
丁寧に読んだらソフトが何か
わかるのでしょうか???)
現在、著者は大阪産業大学
流通イノベーションセンターに
所属しておられるそうですので、
大学にはきっといいテキスト・マイニングツールを
お持ちなのでしょう、ふふふ。
ところで、カラクチ批評ですが、
せっかくの新視点、
テキストマイニング及び数値評価との比較に
もう少し紙面を多くとって欲しかった、ということ
を申し上げたいです。
3章の数値評価にかなり多くの
ページを割かれているのは、
管理会計分野で小売分野の
研究成果があまりないため、
あえて、きちんと書かれたと
推測しますが、
素人読者としては知りたいことに
ページを割いて欲しいもの、
企業の数字の評価は
なんとか簡単に記述する
工夫はなかったのか、
と一読者として感じました。
(でも、学校の授業の
テキストに使うなら、
やはりこのバランスでしょうけどね)
でも、披露されている視点、
手順は実務に役立つと
思いますので、
手順をそのままコピーさせて
いただいて仕事で使ってみようと
思います。
(ちゃんとできるかどうかは
知りません)
橋元さんのプロフィール、経歴等は
こちらをご覧いただくとよくわかると
思います。
橋元さん、本、わざわざお送りいただき、
ありがとうございました。
(ちなみに、
参考文献の中に出てくる、
黄磷(リン)さん、小川進さんは
橋元さん、knasada共通の長年の知人で、
実務の現場にもよく通じられて
活躍されてますね
中国で自動車流通の仕事に
携わっているknasada、もちろん、
この方々の本も全てではありませんが
何冊か読ませていただき
少~しずつですが仕事の上でも
意識して行動するようにしてます)
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